FXコラム:くりっく365について
くりっく365とは
「くりっく365」とは、「取引所為替証拠金取引」の愛称で、東京金融取引所にあるFXの公設市場のことです。
透明かつ公正な取引の場を提供することを目的として、2005年7月に開設されました。
法的な資格要件を満たしたFX業者だけが参加できる取引所ですので、安心して取引を行えます。
FXは、1998年4月に、「外国為替及び外国貿易管理法(外為法)」が改正されたことで誕生した金融商品です。
それまでの外貨預金などの金融商品に比べ、投資効率が高い商品であったため、商品先物会社や証券会社など200社以上がFXに参入したといわれています。
しかし、当時は法的規制がなかったことや、監督省庁が決められていなかったため、一部の悪徳業者による被害が後を絶ちませんでした。
そのため、健全な市場作りの必要性が求められたのです。
このような背景のもと、2005年7月に「金融先物取引法」が改正され、FXは金融庁の規制対象商品となりました。
「取引業者の金融庁への登録義務」や「希望しない顧客への勧誘禁止」などが盛り込まれ、これにより悪徳業者が排除されるようになったのです。
それと同時に公的市場である「くりっく365」が開設されました。
くりっく365のメリット
くりっく365でのFX取引には、いくつかメリットがあります。
まず、「有利な価格で取引できる」ということです。
くりっく365では、「ゴールドマン・サックス証券株式会社」「ドイツ銀行」「UBS銀行」といった、世界有数の金融機関がマーケットメイカーとして、東京金融取引所に価格を提示します。
その中で、もっとも有利な価格がくりっく365に提示されるのです。
また、「スワップポイント(通貨間における金利差額の受け取り)が一本化されている」ことも挙げられます。
FX業者によってスワップポイントはバラバラですが、くりっく365では取引所が価格を決定し、「売り」「買い」ともに同じ金額なので、取引する際に余計なコストがかからずに済みます。
「税制上の優遇がある」というのもメリットの一つです。
通常のFX業者の場合、利益に対する税率は15〜50%と幅があります。
しかし、くりっく365では、課税税率は20%と決められているため、くりっく365参加業者による差はありません。
その上、株式投資や先物取引といった、他の取引所との損益通算も行うことができます。
また、確定申告をした年に控除し切れなかった損失については、翌年から3年間にわたり繰越控除を受けることができます。
税金に関してだけでもこれだけのメリットがあります。
最後に、「安全性が高い」という点。
くりっく365には、法的な資格要件を満たしたFX業者だけが参加できるため、業者に関してあれこれ悩む必要がありません。
そして「証拠金が全額保護される」ことも重要な要素です。
FX取引を始める際、取引業者に預ける証拠金は、全額が取引所に預託され、保全されます。
そのため、万が一業者が倒産したといったようなトラブルなどがあった場合でも、原則として証拠金は全額返却されます。
これによって安心して取引が行えます。
くりっく365には、これだけ有利な点や安全な点があるのです。
くりっく365のデメリット
上述の通り、くりっく365には高い安全性や有利性があるのですが、デメリットも存在します。
一番大きなデメリットは、取り扱い通貨数が少ない、という点です。
2007年の時点では、以下の7通貨ペアのみが、くりっく365で扱われています。
・米ドル/円
・ユーロ/円
・英ポンド/円
・豪ドル/円
・スイスフラン/円
・ニュージーランドドル/円
・カナダドル/円
ご覧の通り、すべて円とのペアになっており、外貨と外貨のペアがありません。
リスクヘッジの観点から、本来なら外貨同士のペアも欲しいところ。
あと、くりっく365はまだ歴史が浅いということもあり、トレード機能がやや劣っています。
便利なツールに慣れてしまっている人には、多少面倒くさいと感じられるかもしれません。
このように、メリットもデメリットも存在するくりっく365業者。
利用するかしないかは、自分の好みに合うかどうかを考慮して判断するとよいでしょう。
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